みやま文庫
みやま文庫について ~揃えれば群馬を知る百科事典~
みやま文庫の名称は、群馬県を象徴する赤城・榛名・妙義の三山の名にちなんでいます。
商業ベースに乗らない貴重な郷土に関する研究や著作を、平易に興味深く編集して県民に頒布して県内の文化振興に役立てることを目的にしています。そのため、みやま文庫は会員制によって組織運営されています。
みやま文庫の本は一般の方にも広く販売していますが、みやま文庫の趣旨を理解され多くの皆様に会員になっていただくことをお願いしています。
プロジェクト
様々な切り口から群馬の姿を明らかにしてきた「みやま文庫」は、昭和36年(1961年)に第1巻「赤城」を刊行して以来、現在に至っております。これほど長きにわたる郷土刊行事業は全国でも比肩するものがなく、群馬が誇る「文化財」と呼ぶに値するとの評価を得ています。
しかし、現在「みやま文庫」は、近年の会員数減少により、刊行事業の継続が困難になってきています。この貴重な群馬県の「文化財」、みやま文庫が維持・継続できるよう、皆様のご協力をお願い申し上げます。
沿革
~みやま文庫は「群馬を知る百科事典」~
みやま文庫は、昭和35年に篠原秀吉(上毛新聞社社長)、黒沢得男(県教育長)、吹山保忠(毎日新聞社支局長)の三氏の発意による「文化懇話会」での話し合いが契機となり、県議会図書室運営委員が中心となって設立の計画が進められた。
設立の基本方針として、
(1)地方文化推進の基礎として出版を行うこと
(2)会員組織による頒布を行うこと、
などが決められた。
発起人は、篠原秀吉、横山多喜夫、島岡利二、竹腰俊蔵、神田坤六、小坂輝雄、近藤英一郎、古屋栄吉、相葉 伸、吹山保忠、黒沢得男及び推進担当萩原進(県議会図書室長)であった。
ついで、県立図書館に事務局が置かれ、昭和36年3月前橋市において設立総会が開催された。会員は発足当時の300名から最高時の3,700名を経て、現在806名となっている。
組織及び運営の状況
◎ 組織及び運営の状況
組織は、理事会のもとに運営委員会(会の資金、運営所管)と編集委員会(編集企画、刊行所管)があり、
この他に配本等の業務について各地域の公共図書館、教育事務所、市町村教育委員会等に地区センターとし て協力をいただいています。
会議は、総会に替えて行う理事会及び運営幹事による運営委員会と編集幹事による編集委員会があり、こ の両委員会が中心となり事業を進めています。昭和36年に第1巻「赤城」を刊行して以来60年以上が経過し、 この間、年4巻の刊行を維持し、令和4年度までの出版数は249巻に巻に及んでいます。多彩な出版と充実し
た内容により、郷土を知る図書として「みやま文庫」に理解をいただき刊行を続けています。
出版財源の多くを占める会費は、事務費や印刷製本費などの経費を削減し平成4年以降据え置いています。
しかし、会員の減少や物価の上昇により運営状況は厳しく、県の助成によって刊行がささえられています。
事業の特色
全 国的にも「みやま文庫」のような公共が関与した会員制の文化事業は例がなく、全国に先がけて郷土資料の刊行配本事業が行われていることの意義は大きい。会員制のために商業ベースにのらない出版が可能で、県内の研究家の業績が活かされるとともに、研究者の発掘や育成の場として寄与しています。
また、学校教育の中でも指導資料や学習書としての価値性も認められ、さらに社会教育や生涯学習の材料にもなっています。
なお、「みやま文庫」の事業は、県、県教育委員会並びに県立図書館、県議会図書室等の後援と県財政当局の理解によることや、良質の図書を多年にわたり継続して刊行する社会教育活動としても高い評価を受けています。
平成4年11月には、地域の文化振興に尽力した功績により文部大臣表彰を受賞 しました。